ノンクラスプ義歯 目立たない・つけ心地が良い義歯
2020.01.29
歯を抜いた後にはどのような歯の回復方法があるのでしょうか?
今回はそのうちの一つ「入れ歯」の中でも「ノンクラスプ義歯」について簡単に紹介します。
歯を抜いたあとの治療方法
歯を抜いた後の歯の回復方法としては
1)インプラント
2)ブリッジ
3)入れ歯(義歯)
の3つの方法があります。
どの治療方法が一番良いのか?
一概にどの治療が一番良いとは言い切れません。
インプラントは自分の歯のように噛むことができますが、インプラントを骨に埋める手術(そこまで大変な手術ではありませんが)をしなければいけませんし、何よりも自費診療になるため費用が相応にかかります。
ブリッジもほとんど自分の歯のように噛むことができますが、抜いた歯の両隣の歯を削らねければいけません。また自費診療になることが多いため費用も掛かります。
入れ歯は手術も両隣の歯を削ることもせずに作製し装着することができ、保険診療で作製することが可能です。しかし自分の歯と同じように力をかけて噛むことは難しいこともあり、また金属のバネが目立って審美性に欠ける場合があります。メガネと一緒で朝起きて着け、夜外して寝るといった手間が生じることも煩わしいかもしれません。
それぞれの治療にメリット、デメリットがありますので、担当医師とよくカウンセリングして決めてください。
ノンクラスプ義歯とは
近年、「ノンクラスプ義歯」という金属のバネを使用しない部分入れ歯が広く用いられるようになりました。
写真のように金属のバネがなく、樹脂が歯を取り囲んで動かないようにする構造になっています。
呼び方は「ノンメタルクラスプデンチャー」が正しい一般名ですが、「フレキシブルデンチャー」、「ソフトデンチャー」、「スマイルデンチャー」など様々な呼ばれ方をしています。
ノンクラスプ義歯のメリット
ノンクラスプ義歯の特徴は何と言っても金属をほとんど使用しないため※見た目や装着感が良いことです。
※「レスト」と呼ばれる部分だけ金属を使用します。下の写真のそれぞれの人工歯の横に見えるのが金属のレストです。
またレストをジルコニアで作製することも可能なので、金属アレルギーの方にも安心して使用できます(少し費用が割高になりますが)。
さらに従来の入れ歯に比べ汚れにくく、臭いもつきづらいのも特徴です。
ノンクラスプ義歯のデメリット
一方、ノンクラスプ義歯は歯と歯肉の境目を広く覆ってしまうので虫歯や歯周病のリスクが高くなるとも報告されています。
また材料の耐久性が低いため、従来の入れ歯に比べ変形や緩みが生じやすいという欠点もあります。
もう一つ、保険適用ではなく自費診療となりますので、費用がやや掛かることもデメリットと言えるでしょう。当院での治療費はこちらをご覧ください。
ノンクラスプ義歯の治療の流れ
抜歯後数週間たった後、抜歯した粘膜が落ち着いたタイミングで型どりをします。
1~3歯程度の比較的小さな義歯であれば最低2回で完成します。
また4歯以上の広範囲にわたる欠損では完成までに4~5回ほどの通院が必要となります。
また、義歯は装着した後、実際にお食事や日常生活を送っているうちに痛みが出る場合がありますので、完成した後も調整のための通院が必要になることがあります。
顎の骨の状態が悪かったり、インプラントに抵抗のある方、また残った歯を削ることに抵抗のある方には「入れ歯」第一選択肢になるかと思います。
ノンクラスプ義歯は保険義歯よりも軽く、より快適に使用して頂くことができる反面、耐久性に欠けるため場合によっては数年で緩くなってしまうなどのメリット、デメリットをよくご理解いただき選択するようにして下さい。
当院では抜歯の時点から最終的にどのような歯を入れるかのカウンセリングを行います。
ご予約はお電話03-3666-8818もしくはネットで承っております。