奥歯の痛みの原因:上顎洞炎(副鼻腔炎)
2019.01.17
奥歯の痛みの原因には虫歯、歯周病、歯の破折、咬合性外傷、知覚過敏など、直接歯に関係のあるものが多いのですが、まれに歯とは関係ない疾患のため歯が痛いと勘違いしている場合があります。
特に上の奥歯の痛みと勘違いしやすいものに上顎洞炎(副鼻腔炎)があります。上の奥歯の根が上顎洞内に突き抜けている(実際にそのまま突き抜けてるわけではありませんが)場合には上顎洞炎を疑ったほうが良い時もありますので、歯科医院でレントゲン撮影してみることをお勧めします。保険適用ではございませんが、歯科用CTを撮影するとより明確に確認することもできます。
歯の痛みの原因が上顎洞炎に起因すると判断した場合には、抗生剤と鎮痛剤を服用していただき様子を見ます。しっかりと検査をすることで余計に歯を削ったりすることを回避できます。
【健常な上顎洞のCT画像】
臼歯部の前額面(両耳を結ぶ方向でスライスした平面)。黄色の線で囲んだ部位が上顎洞です。CT画像(レントゲン画像)では黒く透けて見えます。
【上顎洞炎を生じているCT画像】
向かって左側の黄色の線で囲まれた部位が上顎洞ですが、灰色になっているのが明瞭に確認されます。